目次
- 助成金トラブルが急増中!
- 成功報酬型の助成金サービスの問題点
- その助成金、本当に貰っても大丈夫ですか?
- そもそも助成金とは?
- 助成金を正しく活用するための “6つのステップ”
- 助成金を受給できる環境を整備する
- 助成金の最新情報を入手する
- 助成金の申請手続は専門家に依頼しなくてもできる?
- 助成金申請業務とはプロジェクトマネジメントである
- 申請手続きをしない助成金サービスとは?
- <無料オンライン講座>のご案内
- <助成金情報提供サービス>のご案内
助成金トラブルが急増中!
最近、助成金の不正受給をめぐるトラブルが急増しています。
助成金の不正受給が発覚しますと、以下のような処分が下されてしまいます。
・助成金の返還(不支給決定)
・以後5年間の支給停止(ブラックリスト)
・刑事告発(詐欺罪で告訴)
それだけではありません。
労働局のホームページ上で、あなたの会社の名前まで公表されてしまうのです。
そうなると、「あそこの会社はコンプライアンスがなっていない」ということで、顧客や取引先からの信頼を失ってしまうことになります。もちろん、社員のモチベーションダウンは避けられません。
「助成金の不正受給なんてウチの会社には関係ない」
これを読んだあなたは、そのように感じているかもしれません。
しかし、これは決して「他人事」ではないのです。
なぜなら、あなたの会社も知らないうちに不正受給をしてしまっている可能性があるからです。
たとえば、あなたの会社も以下のような提案を受けたことがあるのではないでしょうか?
・タダでもらえて返済不要の資金を調達する方法
・受給までの難しい手続きは一切不要
・他者で断られた申請も当社なら申請可能
・雇用保険に加入して社員を1名でも雇っていればOK
・100万円の助成金は1000万円の売上に相当
・受給額の最大化を徹底的にサポート
・受給できなかった場合には全額返金
・まずは「無料診断」をしてみませんか?
もちろん、このような広告やキャッチフレーズで助成金の案内をしている業者が、すべて不正受給をしているというわけではありません。
しかし、「助成金の本質」を理解せずに、こうした業者のセールストークに踊らされて助成金の申請をしてしまうことは、非常に危険だと言わざるを得ません。
なぜなら、このような業者に依頼をして助成金の申請をした場合でも、彼らはあくまでも申請代行業者であり、実際に助成金の申請をしたのはあなたの会社ということになっているからです。
だから、不正受給が発覚して処分を受けるのはあなたの会社なのです。
助成金の不正受給トラブル」について詳しく知りたい方は、以下のレポートをご覧下さい。
・受給までの難しい手続きは一切不要
・他者で断られた申請も当社なら申請可能
・雇用保険に加入して社員を1名でも雇っていればOK
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成功報酬型の助成金サービスの問題点
一般に、助成金サービスを提供している会社(社労士事務所を含む)は、「助成金が受給できなければ報酬は一切いただきません」という、いわゆる「成功報酬型」の提案をすることが多いと思います。
しかし、この「成功報酬型」の助成金サービスには注意が必要です。
もちろん、サービスの提供を受ける立場からすれば、「助成金が受給できなければ費用は一切必要ない」というのは一つの安心材料になると思います。
ところが、これがトラブルを招く最大の原因になっているのです。
なぜなら、成功報酬であるが故に、気軽な気持ちで助成金の申請を依頼してしまう会社が多いからです。
助成金の申請代行を依頼するということは、たとえ成功報酬型のサービスであったとしても、「契約をする」ということです。しかし、成功報酬という契約においては、お互いの責任範囲が非常に曖昧になってしまっています。
たとえば、申請代行業者が申請期限を忘れてしまっていて、本来受給できたはずの助成金が受給できなかった場合はどうなるのでしょうか?
本来は100万円の助成金が受給できたのに、業者側の単純なミスによってそれが受給できなくなった場合に、
「助成金が受給できなかったので、当社の報酬も要りません」
と言われても、納得できないのではありませんか?
このように、「成功報酬」という名のもとに、お互いの責任範囲を明確にすることなく助成金申請代行の契約をしてしまい、トラブルになるケースが急増しているのです。
成功報酬型の契約をめぐるトラブルが増えているもう一つの理由は、助成金の申請書類や添付書類のチェックがとても厳しくなっていることがあります。
「簡単に受給できます」「絶対にもらえます」
と言って、成功報酬型で契約をしたものの、いざ申請をする段階になって書類審査ではねられてしまうケースが続出しているのです。
助成金を受給するためには、「適正な労務管理」が行われていることや「法令違反がないこと」が前提になるのですが、こうした基本的なことを確認せずに申請をすると、このようなトラブルが発生してしまいます。
たとえば、残業代を法律通りに支払っていない会社は、社員との間で過去6か月分の残業代の精算をしないと、助成金の申請をすることができません。
なぜなら、助成金を受給するためには「法令違反がないこと」が要件になっているからです。
実際に、ある会社で助成金の支給申請をしたら「未払い残業代」が140万円もあることが発覚してしまったという事例もあります。ちなみに、その時に申請をした助成金の額は57万円でした。
これでは、何のために助成金の申請をしているのかわかりません。
助成金というのは国の支援策であり、その財源は企業が支払う雇用保険料ですから、あなたの会社にも助成金をする「権利」があります。
しかし、助成金の「制度の趣旨」や「申請ルール」を守った上で、ぜひ正しく活用をしていただきたいと思います。
「成功報酬だから」「受給できなければ報酬も支払わなくてよいから」といった安易な気持ちで助成金の申請代行の契約をしてしまうと、思わぬ「しっぺ返し」を食らうことにもなりかねませんので注意をして下さい。。
その助成金、本当に貰っても大丈夫ですか?
成功報酬型で助成金サービスを提供している会社にとって、「助成金を受給することが」が重要なことです。なぜなら、顧客が助成金を受給できないと報酬が発生しないからです。
ですから、どうしても「〇〇するだけで、〇〇円貰えます」という提案になってしまいます。営業的に考えれば、これはやむを得ないことでしょう。
しかし、会社にとって助成金を受給するということは、良いことばかりではありません。助成金を受給することによる「デメリット」もあるのです。
たとえば、定年を65歳に延長すると受給できる助成金があります。しかし、定年を延長するということは、会社にとって人件費負担が増えるというリスクがあります。
また、賃金アップをすることで受給できる助成金もあります。全社員の賃金を2%以上アップさせることで50万円の助成金が受給できたりします。
しかし、全社員の賃金を2%以上アップさせるということは、会社にとって大幅に人件費が増えることになります。平均給与が300万円(月給25万円)だとすると、2%の賃上げは6万円(毎月5,000円)です。
社員10名の会社の場合、年間60万円の人件費アップになりますので、50万円の助成金を受給できても、それほど大きなメリットにはなりません。
しかも、年間60万円の負担はその後も毎年続くのです。
このように、助成金を受給することには「デメリット」もあるのです。
しかし、助成金を提案する業者は、メリットばかりを強調して、デメリットについて説明することは決してありません。
そもそも助成金とは?
ここで、改めて「助成金とは何か?」ということについて確認をしておきたいと思います。
助成金とは、厚生労働省が「雇用の安定」や「従業員の能力開発」を目的に支給する支援制度です。また、国の労働施策に協力してくれた企業への報奨金的な
意味合いもあります。
ところで、助成金と似たような制度に「補助金」があります。
こちらは、経済産業省が「創業」「商品開発」「販路開拓」「地域活性化」などを目的として支給する支援制度です。
どちらも「タダで貰えて返済の必要のないお金」だと考えられていますが、上記の通り「助成金」と「補助金」は管轄する役所や支給する目的が異なりますので、両者の違いをきちんと理解をしておくことが重要です。
繰り返しになりますが、助成金というのは「雇用の安定」「従業員の能力開発」を目的に支給されるものであり、「事業そのものの支援」をする補助金とは違います。
別の言い方をすれば、「研修の実施」や「労働環境の改善」などを積極的に行う会社は、ぜひ助成金を活用すべきなのです。
助成金を正しく活用するための “6つのステップ”
助成金とは、「雇用の安定」や「従業員の能力開発」のために支給される国の支援制度です。ですから、こうした施策を実施する会社であれば、助成金を積極的に活用すべきです。
しかし、中小企業においては、助成金を活用できている会社というのは、まだまだ少ないのが実情です。それは、以下の3つの理由によるものです。
<理由1>どのような助成金があるかわからない
助成金制度は年度ごとに新しくなりますし、年度内であっても要件の変更や新しい助成金が登場することもあります。どのような助成金があるのかわからなければ、活用することもできません。
<理由2>申請手続や書類を準備するのが面倒
助成金を受給するためには、行政が定めた「手順」に沿って、行政が求める「資料」を漏れなく提出しなければなりません。あまりにも手続が煩雑なため、助成金の申請を断念するという人(会社)が多いようです。
<理由3>手続を依頼できる人(専門家)が少ない
助成金の申請代行をする専門家は、一般的には「社労士」ということになっています。しかし、最近の助成金は申請手続が複雑になってしまった為、助成金業務を取り扱わない社労士が増えています。ですから、「助成金の申請ができる社労士」を探すのは意外と難しいのです。
以上のような理由から、中小企業では助成金があまり活用されていないという現実があります。
しかし、私たちは中小企業にこそ助成金を積極的に活用していただき、社員にとって「働きやすい職場環境」の整備をしていただきたいと考えております。
そこで、ここからは「助成金を正しく活用するための“6つのステップ”」についてお伝えをしたいと思います。
助成金の申請を自社で行うのか、専門家(社労士)に依頼をするのかは別にして、
まずは助成金を正しく活用するための「手順」について理解をして下さい。
<助成金を正しく活用するための“6つのステップ”>
<ステップ1> 受給環境を整備する
助成金を正しく活用していただくためには、「助成金を受給できる環境」を整備することが重要です。助成金を受給するためには、以下の要件を満たしていなければなりません。
■雇用保険の適用事業所であること
■社会保険に加入していること
■労働保険料(労災・雇用)の滞納がないこと
■正しく労務管理が行われていること
■法令違反がないこと
「正しく労務管理が行われていること」というのは、法定帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿など)や就業規則などがきちんと整備されているということです。
また、「法令違反がないこと」という項目には、時間外手当(残業代)等が適正に支給されているということも含まれます。
もちろん、この他にも各助成金を受給するための要件がありますが、上記の内容はすべての助成金に共通する「絶対的な要件」となります。
<ステップ2> 最新情報を収集する
助成金制度は頻繁に変更(新設や廃止など)が行われます。また、予算が消化した時点で受付が終了することもあります。さらに、行政の都合で受給要件や申請方法が変更(添付書類などの追加)になることもあります。
ですから、常に「最新の情報」をチェックしておく必要があります。最新の情報を入手するためには、社労士等の専門家を活用するのも有効な手段です。
<ステップ3> 助成金の活用を検討する
最近の助成金には、「制度の導入」を求めるものが多くなっています。しかし、企業が制度を導入することによる「デメリット」もあります。ですから、助成金が受給できるからといって安易に制度を導入することは危険です。
助成金を受給するか否かについては、メリットだけでなく、デメリットも十分に検証する必要があります。
<ステップ4> 計画書の作成・届出をする
助成金を確実に受給するためには、
【事前計画】 → 【施策実施】 → 【支給申請】
という順番を厳守しなければなりません。
「社員を採用したので助成金はもらえませんか?」とか「研修を実施したので助成金を申請したいのですが・・・」といったお問合せをいただくことがありますが、残念ながら施策を実施した後からでは計画が受理されませんので、助成金を受給することができません。
<ステップ5> 施策を実施する
助成金を受給するためには、事前に届出をした計画に沿った施策(採用、労働環境の整備、人材育成等)を、確実に実施する必要があります。
支給申請の際には各施策を実施した証明書類の提出が求められますので、きちんと記録を残しておくことが重要です。
施策を実施していないのに「やったことにして」助成金を申請することは、「不正受給」になりますので絶対にしないようにして下さい。
<ステップ6> 支給申請をする
以上の要件をすべて満たして、計画に基づいた施策を実施したとしても、助成金は申請主義ですので、申請をしなければ受給することができません。
また、申請には期限がありますので、期限を過ぎてからの申請は受理されませんので注意が必要です。
助成金を確実に受給するためには、支給申請の「納期管理」をきちんと行う必要があるのです。
以上、「助成金を受給するための“6つのステップ”」についてお伝えをしましたが、その中でも私たちが最も重要だと考えているのは「受給環境の整備」と「最新情報の入手」の2つです。
ここからは、この2つについて詳しくご説明をしたいと思います。
助成金を受給できる環境を整備する
助成金を受給するための「環境整備」とは、別の言い方をすれば、「法定帳簿」を整備して「適正な労務管理」を行うことです。
助成金を申請するために必要となる「法定帳簿」は、以下の通りです。
・労働者名簿
・雇用契約書(労働条件通知書)
・出勤簿(タイムカード)
・有給休暇管理台帳
・賃金台帳
・就業規則
・労使協定
■労働者名簿
労働者名簿は、労働者の氏名や採用した日など企業が雇用している従業員の情報を記した書類のことです。労働者名簿は、会社の規模などに関係なく、従業員を雇い入れている場合は、労働基準法第107条によって、作成、整備が義務づけられています。
■雇用契約書(労働条件通知書)
会社が労働者と労働契約を締結する際に交付する、契約期間や賃金、業務内容、就業場所、就業時間などの労働条件を記載した文書のことを言います。労働条件通知書に記載しなければならない事項は法令により定められており、会社、労働者の双方にとって非常に重要なものになります。
■出勤簿(タイムカード)
出勤簿は、労働基準法の趣旨に基づき、労働者の適切な労務管理を行う上で、賃金台帳や労働者名簿と同様、法定三帳簿のひとつに位置付けられています。
出勤簿には、以下の項目を記載しなければなりません。
・各労働者の出勤日と労働日数(出社・退社時刻を含む)
・日別の労働時間数
・時間外労働を行った日付と時刻・時間数
・休日労働を行った日付と時刻・時間数
・22時から翌5時までの深夜労働を行った日付と時刻・時間数
■有給休暇管理台帳
働き方改革関連法が成立し、2019(平成31)年4月1日から年次有給休暇の取得義務化の制度がスタートします。この制度は、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に年5日の取得をすべての会社に義務付けたものですが、新たにその実効性を高めるため、「年次有給休暇管理簿」を作成することが義務付けられました。
具体的に記録しなければならない事項は、(1)時季(取得日)、(2)日数(付与日数)、(3)基準日(有給休暇の付与日)と定められておりますが、作成の目的を鑑みますと、さらに(4)基準日から1年以内の消化日数についても管理し、各社員の消化状況を把握することが望ましいでしょう。
■賃金台帳
賃金台帳とは、従業員の給与の支払い状況を記載した書類のことです。労働基準法第108条によって作成が定められたものであり、事業所ごと、つまり同じ会社であっても部門や事業内容が異なる場合は、事業ごとに作成・保管しなければなりません。
賃金台帳には、労働者氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数、休日労働時間数、基本給や手当などの種類と額、控除の項目と額の「10の項目」を作成しなければなりません。
■就業規則
就業規則とは、働く上での労働賃金や労働時間、労働条件などについて事業場ごとに定めたものです。労働者を常時10人以上雇用している会社の場合は、就業規則の作成と届出が法律で義務付けられています。
なお、助成金の申請をする場合には、社員10名未満の会社であっても就業規則の作成、届出が必要になります。
■労使協定
労使協定とは、労働者と会社間で取り交わされる約束事を書面契約した協定のことです。労使協定には様々な種類があり、代表的な協定に「36(さぶろく)協定」があります。「36協定」は、労働基準法第36条に関する労使協定を結ぶことから「36協定」と呼ばれています。時間外や休日労働に関する協定届のことです。
最近では、助成金の申請時に「36協定」の提出が求められるケースもありますので、きちんと協定を締結して届出をしておくことが重要です。
■助成金受給環境診断とは?
これまで、助成金を受給するための「環境整備」について、主に法定帳簿の整備という視点からご説明をしてきました。
しかし、これらの法定帳簿は整備しているだけでは十分ではありません。労働の実態と合っているか、そして帳簿間の整合性が取れているか、すなわち「適正な労務管理が行われているか?」ということが求められるのです。
そこで、私たちは助成金サービスを提供させていただくにあたり、「受給環境診断」を実施させていただいております。
助成金の最新情報を入手する
助成金を活用するための「第2のポイント」は、常に「最新の情報」を入手しておくことです。
なぜなら、助成金制度は頻繁に変更(新設や廃止など)が行われるからです。また、予算が消化した時点で受付が終了してしまうこともあります。さらに、行政の都合で受給要件や申請方法が変更(添付書類などの追加)になることもあるのです。
毎年5月頃になりますと、新年度の助成金に関する各種パンフレットやリーフレットが公開されますので、まずはこうした資料を入手して、どのような助成金があるのかという「概要」を知っておきましょう。
その中でも、「雇用・労働分野の助成金のご案内(詳細版)」は、必ず入手しておくべき資料の一つになります。
しかし、この資料を入手しただけでは十分ではありません。そこから変更された内容(新設や廃止、要件の変更など)に関しても、きちんとフォローをしておく必要があります。
なお、助成金の最新情報を入手するためには、社労士などの専門家を活用するもの良いでしょう。当事務所でも、「助成金情報提供サービス(有料)」を行っておりますので、ぜひご利用をいただくことをお勧めします。
助成金の申請手続は専門家に依頼しなくてもできる?
これまでお伝えしてきました通り、助成金を正しく活用するためには、「受給環境の整備」と「最新情報の入手」の2つが重要なポイントです。
では、「申請手続き」についてはどうでしょう?
一般に、助成金というのは「申請書類の作成」や「申請手続き」が面倒なので専門家(社労士等)に依頼しなければ難しいものだと考えられています。
しかし、これらの業務は実はそれほど難しくはありません。
「書類の作成そのもの」については、サンプル書式などが公開されていますので、その通りに記載すれば、誰でも書類が作成できるようになっているからです。
たとえば、代表的な助成金である「キャリアアップ助成金」の申請手続きについてみてみましょう。
キャリアアップ助成金を申請するためには、まずは「キャリアアップ計画書」
の作成・届出をしなければなりません。こちらの書類は、以下の3枚のシートになっています。
<キャリアアップ計画書>
書類の1枚目と2枚目は、会社の基本情報(会社名や住所、労働保険番号など)を記載するだけですから、何も難しいことはありません。
実際の「計画書」は3枚目になりますが、こちらについては記入例のサンプルが用意されていますので、それを参考にすれば簡単に記入することができます。
<記入例>
これで「キャリアアップ計画書」の作成は完了です。あとはこの書類を役所(労働局または助成金センター)に届出をすれば良いだけです。
では、支給申請はどうでしょう?
計画書と同様に、こちらもそれほど難しいものではありません。キャリアアップ助成金の支給申請は、以下の3枚のシートになります。
<支給申請書>
こちらについても、記入例のサンプルが用意されていますので、その通りに記入すれば支給申請書が完成します。
このように、助成金の「計画書」や「支給申請書」の作成そのものは、それほど難しいものではありません。
では、何が大変なのかと言うと、それは「添付書類」を整えることです。
助成金の支給申請時においては、必ず以下の「添付書類」が要求されます。
(助成金の対象となる労働者に関する書類です)
・労働者名簿
・雇用契約書(労働条件通知書)
・出勤簿(タイムカード:施策を実施する前後それぞれ6か月分)
・賃金台帳(施策を実施する前後それぞれ6か月分)
・就業規則(変更前と変更後の両方)
実は、これらの「添付書類」をきちんと揃えることがとても大変なのです。
「助成金は手続きが面倒だ」と言われるのは、そのためなのです。
さて、ここまで真剣にお読みいただいた方であればお気づきだと思いますが、この「添付書類」についても心配する必要はありません。
なぜなら、助成金の「受給環境を整備」して、「適正な労務管理」をしている会社であれば、すぐに書類を準備することができるからです。
しかも、今ある帳簿をそのままコピーして提出すれば良いだけです。
だから、カンタンに「添付書類」を揃えることができるのです。
これで、なぜ「受給環境の整備」が大事なのかについて、ご理解をいただけたいのではないでしょうか?
繰り返しになりますが、助成金の「申請書類の作成」はとても簡単です。一番大変なのは「添付書類」を準備することですが、それも日常の労務管理がきちんとできていれば、まったく心配することはありません。
ですから、助成金の申請業務そのものについては、専門家に頼まなくても自社で十分にできると考えております。
それよりも、専門家に頼むべきことは、「受給環境の整備」と「最新情報の提供」なのです。
助成金申請業務とはプロジェクトマネジメントである
助成金の申請業務が難しく感じるもう一つの理由は、「どの手続き」を、「どの順番」に、「どの役所」に行えばよいのかわかり難いということがあります。
下図は、「キャリアアップ助成金」の申請フローチャートになります。
キャリアアップ助成金を申請する流れは、以下のようになります。
①ハローワーク(または助成金センター)を経由して「キャリアアップ計画書」を提出する → 計画の受付・確認がされて書類が返送される
②就業規則を変更して、「転換制度」を導入する
③変更した就業規則を労基署に届出(社員に周知)をする
④転換対象者の試験を実施する
⑤合格した者を正社員等に転換して、新たな労働契約を締結する
⑥転換後6ヵ月経過してから「支給申請」をする
<キャリアアップ助成金の申請フローチャート>
以上のように、「ハローワーク(助成金センター)」や「労基署」あるいは「社員」に対して、さまざまな働きかけをしなければなりません。
しかも、その「順番」や「タイミング」がすべて決められていて、その通りに実施しなければならないのです。
「キャリアアップ助成金」を申請するために必要な「作業項目」と「スケジュール」を一覧表にしたものが、以下の「助成金申請ガントチャート図」になります。
<助成金申請ガントチャート図>
この図をご覧いただくとおわかりになると思いますが、助成金の申請業務というのは、「プロジェクトマネジメント業務」なのです。
多くの方が、「助成金なんて専門家がちょこちょこっと書類を書けば簡単に貰える」と誤解されているようですが、それは全く違います。
助成金というのは、「タスク管理」「工程管理」「納期管理(申請期限)」を確実に行わないと受給することができないものなのです。
助成金を確実に受給しようと思うのであれば、やはり専門家に任せた方が安心かもしれません。
申請手続きをしない助成金サービスとは?
これまで、「助成金を正しく活用するための“6つのステップ”」についてお伝えをしてきました。
この「6つのステップ」は、ステップ1~3までの「受給環境整備」とステップ4~6までの「支給申請」の2つの領域に分けることができます。
一般に「助成金サービス」というと、後者の「支給申請(書類作成、提出代行)」を提供する会社(事務所)が多いと思います。
しかし、私たちは助成金を活用する上で最も大切なことは「受給環境の整備」だと考えております。
それは、前述しました通り、受給環境さえ整備できていれば(適正な労務管理ができていれば)、申請書類の作成はそれほど難しいものではないからです。
そこで当事務所では、「受給環境整備」に特化した助成金サービスをご提供させていただいておりますので、ここでご紹介をさせていただきます。
それが「助成金顧問」というサービスです。
このサービスは、いわば「申請手続きをしない助成金サービス」です。
当事務所がご提供させていただいている「助成金顧問サービス」の概要は、以下の通りになります。
■当事務所は、「助成金顧問契約」を締結していただいたお客様に限定して
助成金活用サービスのご提供をさせていただいております。
■助成金を正しく活用していただくためには、「受給環境の整備」と「最新の情報」を タイムリーにご提供することが大切だと考えているからです。
■顧問契約を締結していただくことでお客様の労務管理状況を適切に把握することができ、最適な助成金のご案内をさせていただくことができます。
■「助成金顧問契約」は、受給環境整備+最新情報をご提供することで、
毎年100~200万円の助成金の獲得を目指すサービスです。
■上記のような理由から、当事務所はスポット契約や成功報酬型での助成金
サービスはご提供しておりません。何卒ご了承下さい。
<無料オンライン講座>のご案内
助成金を正しく活用していただくために「無料オンライン講座」をご提供しております。ご登録をいただきますと、以下の内容をお届けします。
第1回 雇用助成金とは?
★経済産業省の「補助金」と厚生労働省の「助成金」の違い★パート社員を正社員にして276万円を受給した事例
★育児休業制度を充実させて104.5万円を受給した事例
★未経験者を採用して60万円を受給した事例
★正社員に研修を実施して81.4万円を受給した事例
★賃金制度を整備して142.5万円を受給した事例
★企業が助成金を活用することの本当のメリットとは?
第2回 なぜ、助成金の活用が必要なのか?
★助成金が支給される理由(目的)★助成金が支給される法律的な根拠
★国が助成金を支給するカラクリ(財源)とは?
★あなたの会社が助成金を活用すべき「3つの理由」
★助成金を獲得できるチャンスがある「6つの場面」
★「働き方改革」と助成金の親密な関係とは?
★企業の「社会的責任」として助成金を活用する
第3回 どのように助成金を受給するのか?
★中小企業では助成が活用されない「3つの理由」★助成金を活用するための6ステップ
★ステップ1 受給環境を整備する
★ステップ2 最新情報を収集する
★ステップ3 助成金の活用を検討する
★ステップ4 計画書の作成・届出をする
★ステップ5 施策を実施する
★ステップ6 支給申請をする
第4回 助成金受給環境整備とは?
★助成金を受給するための環境整備とは?★助成金申請に必要な法定帳簿
★法定帳簿をチェックするポイントとは?
★就業規則をチェックするポイントとは?
★助成金の申請をしたら140万円の「未払い残業代」が請求された事例
★助成金を受給するデメリット
★助成金の「不正受給」が発覚するとどうなるのか?
★なぜ、助成金の「不正受給」が発覚してしまうのか?
第5回 助成金の最新情報を収集する方法
★助成金の「最新情報」を入手するのが難しい理由★「助成金のプロ」がやっている情報収集方法を本邦初公開!
★助成金を収集するための「年間カレンダー」
★助成金の情報収集「5つのヤマ場」とは?
★専門家でなくても、これだけは入手しておくべき情報とは?
★新年度の助成金情報が確定するのはいつ頃なのか?
★総合パンフレット(詳細版)を入手する方法
★オンライン講座(全5回)のまとめ
<助成金情報提供サービス>のご案内
「助成金情報提供サービス」とは、動画(ビデオ)とメール配信によって助成金の最新情報をお届けするサービスです。
ビデオ情報 毎月1回(10~15分程度)の動画をお届けします。
メール配信 毎週1回(月4~5回)助成金の最新情報をお届けします。
つまり、「助成金情報提供サービス」とは、
毎月1回は動画(ビデオ)で、毎週1回はメール配信によって、
月に5~6個、年間60個以上の「助成金最新情報」をお届けするサービス
ということです。月に5~6個、年間60個以上の「助成金最新情報」をお届けするサービス
年間60個以上の助成金最新情報をお届けしますので、あなたの会社でも活用できる助成金が必ず見つかります!
これが、「助成金情報提供サービス」をご利用いただくことで御社が得られることができる「価値」です。
念のため申し添えますが、私たちがご提供するのは「助成金の最新情報を届けるサービス」です。ですから、社労士と顧問契約をしている場合でも、ご利用いただくことが可能です。(現在の顧問契約を侵害するようなことは致しません)
助成金情報配信サービスの料金 月額11,000円(税込)
なお、本サービスは助成金の最新情報を動画とメールでお届けするものであり、上記料金には申請業務は含まれませんのでご注意下さい。助成金の申請をご希望される場合には、別途お見積りをさせていただきます。
ただいま、助成金情報提供サービス(月額11,000円(税込))を1ヵ月間無料でお試しいただくことができるキャンペーンを実施中です。